子どもと学校の歴史
子どもと学校の歴史
¥2,000(税別)
足利工業大学 教授 麻生千明 著 平成22年3月 ISBN978-4-87602-885-6 C1037 A5判並製174頁 2002(平成14)年春に教科書『子どもと学校 歴史と現状』を刊行して7年以上が経過した。 本書は、旧テキストの「第一編 歴史の中の子どもと学校」をもとに大幅に書き加え、『子どもと学校の歴史』とのタイトルで刊行した。内容は、子ども観、子どものしつけ、子殺し等の問題から叙述し、以下、古代、中世、近世、近代の各時代の時代的特徴と教育について叙述している。今回、記述に際して特に配慮したことは、過去の歴史といっても、単なる過去のこととしてではなく常に現代の問題意識に立ってとらえようとしたこと、および日本と西洋との比較(国際比較)の視点を出来る限り取り入れようとしたことである。例えば第1章の子ども観、育児やしつけの問題については、日本と西洋の対比、および古代から現代に至るまで通史的に叙述している。同様に、学校教育についても、国際比較でみる日本の学校の特徴、文字学習に関する日本などの漢字文化圏と西洋のアルファベット文化圏の相違についての叙述も新たに加えた。 目 次 序 章 「子ども」について 1.子どもをめぐる呼称の歴史 2.人間の発達段階における「子ども」 3.各種法令における「少年」「児童」「未成年」 第1章 子ども(子ども観)と子育て・しつけをめぐる昔と今 第1節 日本と西洋の子ども観と育児・しつけの比較 第2節 子殺し(間引き・子返し)の歴史 第3節 近代(明治)以後の人口政策と現代の「少子化」問題 第2章 学校の登場─日本における古代の学校・大学寮─ 第1節 わたしたちの経験のなかの学校─現代日本の法規上の学校─ 第2節 学校の登場 第3節 日本における文字(漢字)の伝来と学校の登場 第3章 中世武家社会における家庭教育(家訓)と学校 第1節 中世の時代的特徴と武士教育 第2節 武家家訓にみる中世武士教育 第3節 能役者・世阿弥の家訓『風姿花伝』 第4節 中世の教育機関─金沢文庫・足利学校─ 第5節 寺院における世俗教育 第6節 中世における子どもたちの遊び 第4章 近世江戸時代の学校と教育 第1節 「近世」という時代と教育 第2節 武士の学校─昌平坂学問所・藩校・私塾─ 第3節 寺子屋で学ぶ庶民(商人・農民)の子ども 第5章 明治前半期における近代学校制度の成立過程 第1節 「学制」期における近代学校制度の発足 第2節 国家主義的教育体制の確立(明治10~20年代) 第6章 「教育勅語」の公布と国定教科書の変遷 第1節 第2次「小学校令」と「教育勅語」の公布 第2節 教科書の国定化と国定Ⅰ期・Ⅱ期教科書 第3節 大正新教育運動と国際協調的な国定Ⅲ期教科書 第4節 昭和の軍国主義下の国定Ⅳ期・Ⅴ期教科書 終 章 終戦前後の若者たちと子どもたち
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